負担付遺贈について

受遺者が負担を履行することを条件に、遺贈の目的物を譲渡されるというものです。
遺贈とは、基本的に遺言者がなす一方的行為ですが、
この場合は双方が履行をすることになりますので、
双方的な契約に似てくることになります。
その意味で、解釈としては、
双方の利益についてどうバランスを取るかが重要になります。

 

1、負担付遺贈とは具体的にどのようなものか 例えば、
「〇〇という建物を遺贈するが、その代わり毎月3万円を支払うこと」
というような内容が、負担付遺贈の典型例です。

 

先に、双方的な契約に似てくるといいましたが、この負担付遺贈の実質は、
いつまで金額を払うかは特定されていませんが、売買契約ということになるでしょう。

 

もし、3年間払い続けるのであれば、
108万円でこの建物を実質的に譲り受けることになります。
ただし、負担は法律上の義務である必要があります。

 

例えば、「もし、トップになったら〜」というような仮定だとすると、
これは法律上の義務ではないので、単なる「条件」にすぎないことになります。
いわば、条件付き遺贈です。

 

2、「負担は」具体的にどこまで履行するべきか 負担付遺贈については、
「遺贈の目的の価格を超えない限度で」負担した義務を履行することになっています
(民法1002条1項)。

 

つまり、遺贈の範囲内で履行すればよく、それを超える履行はあり得ません。
理由は、負担付遺贈が双方的な契約に似ているといっても、
本来的な原則は、無償行為(ただで与えること)であるからです。

 

つまり、遺言者が無償で受遺者に対して譲渡するというのが遺贈の本質なのです。
そのため、遺贈の目的物の価格より負担が重いということは許されません。
その証拠に、民法1003条では、遺贈の目的の価格が減少した場合に、
受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担を免れるとしています。

 

負担が遺贈の目的の価格を超えてはならないためです。
日本では、負担を先履行とする遺贈をすることが多いですが、
本来無償行為である遺贈の本質からすれば、遺贈があり、
次に、負担の履行があるべきです。
その意味で、先履行はあり得ません。事実上有償行為になってしまいます。

 

3、負担の不履行がある場合 この場合、
相続人が、相当の期間を定めて履行の催促をします。
そして、この期間内に履行がなければ、
負担付遺贈の取消を家庭裁判所に請求することができます(民法1027条)。

 

遺贈の履行と負担の履行があることが前提である以上、
片方だけの履行を強制するのは不公平だからです。

関連する参考用語

遺贈とは

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