祭祀財産について

ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべきものがあるときには、
その者が承継するとされています。
慣習が明らかとならないときは、財産の承継者は家庭裁判所が定めることになります。

 

相続人は相続開始時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を
承継するのが原則ですが、祭祀財産は異なる扱いとなっています。

 

相続法の基本原則は、相続による権利の承継が包括承継であること、すなわち、
相続によってこれまで被相続人が主体であったすべての法律関係が
全体として新たな主体、すなわち相続人にその担い手を変えるというものです。

 

例えば、父親がその所有するパソコンの売買契約を締結した直後に死亡したとすると、
相続人である子は契約上の売主たる地位を承継することになり、引渡債務、
代金請求権、取消権、解除権等のほか、善意や悪意、過失や無過失等の
主観的態様も承継することになります。

 

これに対し、祭祀財産は包括承継の対象となっていません。
相続財産と同じ扱いとして分割してしまうと、
祖先の祭祀を催すのに支障が生じてしまうため、特別な扱いとなっています。

 

祭祀財産は相続財産とは別の問題であるため、相続分は関係ありません。
したがって、相続人でない者が祭祀を主宰すべき者に指定されたとしても、
被相続人の相続人となるわけではありません。

 

例えば、内縁の配偶者を祭祀を主宰すべき者に指定したとしても、
相続権が発生するわけではありません。
ただし、被相続人が祭祀の主宰者に指定すると共に、
生前に贈与や遺贈をしたりすることは可能です。

 

また、祭祀を主宰する者として指定された場合には、
これを拒むことはできず、相続の放棄や承認は問題となりません。

 

ただし、将来的に祭祀を行うかどうかは法律的な問題ではなく、
道徳的な問題であり、義務ではありません。
そして、祭祀財産を承継したとしても、
これを破棄したり売却することは法律上禁止されていません。

 

なお、夫の死亡後、生存配偶者はその祭祀を原始的に承継し、
遺体や遺骨の所有権は通常の遺産相続によることなく、
その祭祀を主宰する生存配偶者に原始的に帰属するとされています。

 

このように、系図、位牌、仏壇、墓石、墓地等の祭祀財産は、
通常の相続財産とは異なる扱いがなされており、
祖先の祭祀の催しが途切れることがないよう配慮がなされています。

関連する参考用語

祭祀承継者とは

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