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不動産の相続登記をする前に必要なこと

5つの相続登記に必要なこと

必要なことは次の5つです。

  1. 対象の不動産はどれ?を把握する。
  2. 登記名義人とお亡くなりの方が同じ人だと証明する。
  3. 誰が相続するのかを決める。
  4. 相続する人の「名前」と「住所」を証明。
  5. 登録免許税の根拠と納税

以下、この5つについてお伝えしてきます。

1 対象の不動産はどれ?を把握する。

▲固定資産税の明細書と公図で確認

相続登記の手続きをする前に、
どの不動産について手続きするのか、
対象不動産を正しく把握します。

 

左の土地を相続した方を例に挙げますと、
対象不動産は4つありました。
892−2、同ー12、同ー16、同17です。
矢印の先にある三角形の小さな土地も、
被相続人の名義の土地です。

 

相続人の方は、
自分の相続した土地は、
891−2(一番大きい土地)
一つだと思っていらっしゃいました。

 

公図で不動産を読む▲公図で相続した不動産を確認する

次に、左の図についてです。
被相続人(故人さま)の所有していた土地は、
赤の線で番号の囲われている土地です。

 

2357−12の土地の上に建物があります。
この土地と東側の道路の間に細い土地があります。
青で囲われている部分です。

 

ここが、なんと他人の土地でした。
しかも、畑として登記されています。
ご近所の方で顔見知りでしたので、
被相続人の土地だとすぐに認めてくださいました。
すぐに、地目を宅地にして、
所有権を移転する手続きをとりました。

 

ずっと気づかずに放っておくと、
当事者の世代が次、またその次と移っていき、
お互い知らない人同士になりえます。
すると、当時の話をしらないので、
大変なことになっていたかもしれません。

土地がいくつかに分かれていることはよくあります。
自分の土地の相続登記を漏らしてしまうと大変です。
どの不動産が相続登記の対象なのかをきちんと整理する必要があります。

 

遺産の不動産をすべて挙げるために見るべき資料は、
「公図」「権利証」「課税明細書」「共同担保目録」などです。

2 登記名義人とお亡くなりの方が同じ人だと証明する

不動産の登記名義人と被相続人の同一性▲不動産の登記情報と戸籍の附票で、住所が違っている実例

不動産の所有者は、
名前と住所で登録(登記)されています。
人が亡くなったことの記載される戸籍には、
亡くなられた方の名前は記載されていますが、
住所の記載はありません。

 

これでは、不動産の所有者として登記されている方と、
戸籍で亡くなったと記載されている方とが、
「同じ人なのか」
「同姓同名の別人なのか」
相続登記をの手続きを扱っている法務局は区別をつけられません。

 

「登記されている不動産の所有権者と、
被相続人が同じ人であること」
これを、相続登記を申請する人が証明しなければなりません。

 

証明するために用意する書類は、
「住民票の除票」「戸籍の附票」などです。

 

左の画像のでは、孝さんが故人様です。
孝さんの住所が不動産の登記情報と戸籍の附票で異なっています。
このままだと、
同姓同名の可能性を否定できなので、同じ人だと言えません。

 

住民票の除票で証明できることもあります。
行政の発行する書類を可能な限り調べても、住所不一致の時もあります。
なお、登記されている被相続人さまの住所と、過去の本籍地が一致すれば、

同じ人だと法務局に判断してもらえます。

 

ここまでのどの方法をもってしても、
被相続人と登記されている所有者を同じ人だと証明できない場合、
権利証を相続登記の申請書に添付して手続きをします。

 

権利証を紛失していると、
不在住証明と不在籍証明を取得して、相続登記の申請書に添付します。

 

不在住証明というのは、
「登記されている被相続人さまの住所に、
現在、被相続人さまは住所を置いていないという」という証明です。

 

不在籍証明というのは、
「登記されている被相続人さまの住所に、

現在、被相続人さまは本籍地を置いていないという」
という証明です。

3 誰が相続するのかを決める

遺言をのこされていない場合、
相続人が全員で話し合って、だれが不動産を相続するのかを決めます。
この結果を文章にして残すのが、遺産分割協議書になります。

 

相続登記には、多くの場合、遺産分割協議書が必要です。
例外は、不動産を法定相続分割合で、相続人全員が共有する場合です。

4 相続する人の「名前」と「住所」を証明

所有者として登記されるのは、名前と住所であるのは、
上でお伝えした通りです。
この登記される住所と相続人の名前を証明します。

 

証明するための書類として
「住民票」「印鑑証明書」などがあります。

5 登録免許税の根拠と納税

相続登記をするときに、登録免許税を収めます。
税額を計算するのは相続登記の申請者です。
いくらの登録免許税を支払わないといけないのか、
計算の根拠となる資料をそろえないといけません。

 

固定資産税を課す上で、市区町村は不動産に価格をつけています。
ここでは、これを固定資産税評価額といいます。
相続登記の対象の不動産について、
この固定資産税評価額の記載された書類を用意します。

 

「固定資産税の課税明細」「評価証明書」などがこれに該当します。

これより下では、不動産に登記をする目的についてご覧いただけます。

不動産の登記をする目的は何か。

そもそも、持ち主が不動産の登記をする目的は、
世の中のだれに対しても
「この不動産は自分のものです」
と、主張できるようにするためです。

 

専門用語で「対抗要件を備える」などといいます。

相続人は登記しなくても権利を主張できるか

不動産の買主、贈与を受けた人などは、
登記をすると
「この不動産は自分のものです」
と世の中のだれに対しても主張できるようになります。

 

 

 

相続人は、登記しないと自分の権利を主張できないのでしょうか?
そうではありません。

 

 

 

被相続人(お亡くなりの方)が持ち主として登記されていれば、
被相続人は自分の権利をだれに対しても主張できたわけです。
相続人はこの権利を受け継いでいます。戸籍で自分が相続人であることを証明できます。

 

 

 

つまり、相続人は自分が持ち主ですという登記をしなくても、
自分(たち)が所有者ですとだれに対してもいえます。

では、相続登記をする目的はなにか。

相続登記をしなくても、自分たちの権利を主張できるのに、
登記をする目的とはなにか。
ひとことでいえば、予防です。

 

たしかに、相続登記をしなくても、相続人が一人なら
「被相続人がもっていた不動産のすべてが自分ものです」
と、すべての人に対して言えます。

 

一方で、相続人が複数いますと、相続登記せずに主張できるのは、
自分の法定相続分の割合
(配偶者なら半分、子どもなら半分を子どもの人数で割った分のこと)
だけです。

 

相続人たちで話し合って
「この不動産を相続するのは長男」
と決めたとします。

 

長男は相続登記することで、
不動産すべてについて自分の権利を主張できるようになります。
将来、兄弟たちやその家族との行き違いを防ぐ意味で、
相続登記をしておくことは大切です。

 

また、相続登記をしておかないと、
その不動産の売却や、
修理は増築・改築のための資金を借りる際の担保の設定をできません。

 

登記をしないで放っておきますと、
相続人も月日を重ねるとともに年を重ねていきます。
相続人が亡くなられたり、相続人が認知症になると、
相続登記をすることがとても大変になります。

 

こうならないための予防という点で、
相続登記をすみやかにすることがおすすめされてです。

そもそも相続登記の「登記」とは?はこちらからご覧いただけます。

追伸

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などとおっしゃる方は、お気軽にご相談ください。

相談は無料で行っています。

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