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遺言に財産の一部しか書いていないとどうなる?

遺言者の財産の内訳

遺言には、遺言を書いた方のすべての財産について、
その分け方が書かれている場合があります。
一方、一部の財産だけが書かれている遺言書も、
けっこう見かけられます。例をあげてみます。
花子さんが遺言を書きました。花子さんの財産の内訳は、こうです。

 

・横浜市の自宅の土地と建物 

価値:2,000万円

・川崎市のマンション    

価値:  500万円

・那須の原野

価値:  500万円

・ゆうちょ銀行の貯金    

価値:1,000万円

・みずほ銀行の預金     

価値:1,000万円

・国債           

価値:1,000万円   

合計:6,000万円

「遺言に書かれていたのは・・・」

花子さんが亡くなると相続人になるのは、
花子さんの長男の太郎さん、
次男の二郎さんの2人です。遺言にはこう書いてあります。

「横浜市の自宅の土地と建物を長男の太郎に相続させる」
書かれているのはこれのみです。

 

自宅以外の財産をどう分けるかは、
遺言に書かれていません。
これが、財産の一部だけが書かれた遺言の例です。

「書かれていない財産の分け方は?」

少し考えていただけないでしょうか。
太郎さんと二郎さんの相続分(取り分)は、
下の1から3のうち、いずれになると思われますか?

 

1 太郎さんは自宅のみを相続する。

残りを二郎さんがすべて相続する。

『相続分 =太郎さんが2,000万円

      二郎さんが4,000万円』

 

2 自宅も含めた6,000万円を法定相続分の1/2ずつになるよう、
太郎さんは、自宅のほかに、1000万円を、
二郎さんは 3,000万円を相続する。

『相続分 =太郎さんが3,000万円、

      二郎さんが3,000万円』

 

3 自宅以外の4,000万円を法定相続分の1/2になるよう、
太郎さん二郎さんが2000万円ずつ相続する。

  『相続分 =太郎さんが4,000万円、

        二郎さんが2,000万円』

 

太郎さんからすれば、
自分の相続分が多くなるのは、3−2−1の順です。
二郎さんからすれば、
自分の相続分が多いのは1−2−3の順です。

どれが正解でしょうか?

答えは、なんらかの事情のない限り、2が正解です。
もし、遺言者のお考えが別だったとしても、
それが遺言で表現されていないと意思とはちがう分け方になってしまうのです。

 

法律的な解説はここでは省略します。
ここでお伝えしたかったことは、遺言に書かれていない財産については、
相続人で話しあい(遺産分割協議)が必要になるということです。

法律通りには進まないことも

もし、太郎さんと二郎さんが1から3のどの解釈をするのかで意見を異にすると、
「法律ではこうなっている」
と片方が主張しても、遺産分割協議はなかなかまとまりにくいものです。

法律で決まっていることだとしても、相続人の全員が合意して、
遺産分割協議書を作成しないと、不動産の相続の手続を進められません。


不本意ながら遺産分割調停の手続きをとるご家族もいらっしゃいます。

せっかく遺言をかかれるのであれば、
ご自身の意思、書き方に注意することをお勧めしたいと考えます。

相続手続支援センター 横浜駅前

代表 佐藤 健太郎

追伸

「わからないことがある」「個別のアドバイスがほしい」

などとおっしゃる方は、お気軽にご相談ください。

相談は無料で行っています。

無料相談をご利用になり、信頼していただき、

結果として手続をおまかせいただければ幸いですが、

実際にはアドバイスだけで終わる方も多くいらっしゃいます。

当センターとしては、それでもかまわないと考えています。

「相続手続支援センター名古屋」という存在を知っていただくことが、

とても大事だと思うからです。

 

まずは、お問合せだけでもされてみてはいかがでしょうか。

と、いくら申しましても、「業者のいうことだから・・」と思われる方も

いるかもしれません。

それでも、相続手続支援センター名古屋の思いをお伝えしないよりも、

お伝えした方がいいと思い、書かせていただきました。

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