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グッチから学ぶ 『形ある財産・形ない財産』2

食事制限から、1年がたちました!

昨年の3月1日、食事の制限をはじめました。
あれから一年がたちました。68.5kgから減らしはじめて、
64キロ台の後半をずっと維持できています。年末年始ですこし増えましたが、
そのあとなんとかもどしました。

 

いまの体に合わせて仕事着や普段着を新たに買っています。
体型を維持しようと必死です。
「着られなくなったらもったいない」
の一心です(笑)。

『形ある資産・負債』と『形の無い資産・負債』そしてグッチ家

前回、財産には資産と負債があること、そして、
1.預金などの『形の有る資産』
2.家族の結束などの『形の無い資産』
3.借金などの『形ある負債』
4.悪い評判などの『形の無い負債』 と、
グッチ家の相続についてお伝えいたしました。

 

今回は、その続きです。まずはすこし、前回のおさらいです。
グッチの創業者「グッチオ氏」は、職人気質の方で、
いいものを作り、それをフィレンツェの街でお客さまに提供し、
よろこんでもらっていました。

 

この結果として家族が繁栄することを第一に考え、
『すべての株を家族が持って、グッチの決定は家族がする』
ということを大切にしていたそうです。
ところが、今のグッチといえば、バッグなどで有名な世界中で人気のブランドです。
さらに、現在のグッチの製品に、
創業者であるグッチオ氏の子孫は一切関わっていないそうです。
『一体、グッチに何があったのでしょうか?』

グッチの相続関係の図

初代の社長とグッチの相続図▲グッチの創業者と相続の当事者

グッチ家の騒動

◆創業〜創業者の死
・グッチオがグッチを創業
・グッチオの三男のアルドは、父グッチオの反対を押し切り事業を拡大。
・グッチオの五男のルドルフォは、俳優業で失敗後、グッチに入る。
 兄のアルドのやり方に反対だが、会社に残る。
・創業者のグッチオの死。
 株式を子ども(アルドとルドルフォ)に50%ずつ相続させる。

 

◆株式が半々の時代
・アルドは会社の経営を行なっている。ルドルフォと兄弟間の対立が続く。
・ルドルフォが亡くなり、その子マウリッチオが株を相続。
 マウリッチオも父(ルドルフォ)の影響を受けアルドに対し悪感情を持っている。
・マウリッチオの妻は、グッチ家の財産を狙っている。

 

◆株式が分散の時代
・アルドが株を3.3%ずつ、子ども(ジョルジョ、パオロ、ロベルト)に譲る。
・パオロが父アルドの経営方針に逆らい、会社から追放され父に怒りを覚える。
・マウリッチオがいとこのパオロと手を組み株式の53.3%を押さえる。
・過半数の株主になったマウリッチオは、アルドを解任しグッチの社長になる。
・アルドは対立していた息子のパオロから脱税で訴えられ、有罪になる。
・アルドは自分の40%の株式を息子(ロベルトとジョルジョ)に20%ずつ譲る
・アルドはマウリッチオを遺言(マウリッチオの父の遺言のこと)の偽造で訴える。
・マウリッチオの高くない経営手腕や、グッチのイメージ悪化で、売り上げが低迷する。

 

◆グッチの経営が家族の外に
・アルドの息子(ロベルトとジョルジョ)が、
 マウリッチオに会社を握られ、
 売り上げも低迷しているので、株式を投資会社に売ってしまう。
・マウリッチオも投資会社から責任を追及され、
 社長を退任し株式を投資会社に売却する。

 

◆グッチ家の悲劇の最終章
・マウリッチオが妻の本性に気づき、別居する。 妻に逆恨みされ、
 妻に雇われたマフィアの手によってマウリッチオは殺害される。

時期

株主

割合

続柄

備考

最初

グッチオ

100%

創業者

家族経営を望む。株を子どもに半分ずつ相続させた。

第2

段階

アルド

50%

グッチオ三男

父グッチオの反対を押し切り事業を拡大

ルドルフォ

50%

グッチオ五男

兄アルドの経営方針に反対。

第3

段階

アルド

40%

 

生前、3人の子どもに3.3%ずつ株を贈与

ジョルジョ

3.3%

(アルドの子)

 

パオロ

3.3%

(アルドの子)

父であるアルドに逆らい、会社から追放される

ロベルト

3.3%

(アル子)

 

マウリッチ

50%

(ルドルフォの子)

妻にそそのかされ、パオロと組んでグッチを乗っ取ろうとする。

教訓

グッチの家のいざこざの原因はいくつかあると思います。
法律的な視点から見れば、次のようなことを挙げられます。
「創業者のグッチオ氏が株式を半々に相続させずに、
次期の経営者である三男のアルド氏に過半数を相続させれば、解任を防げた。」
「家族以外への株式の売却に制限をつけておけば、投資会社への売却を防げた。」
とはいえ、これらを講じておけば、グッチの家族経営を守れたのかと考えると、
そうでもない気がします。

 

家族内の対立という形のない負債についての対応がなければ、
法律的に形を整えていても、
別の形で何らかのトラブルがあったのではと想像してしまいます。

 

4月9日に祖母の3周忌がありました。
お寺の住職さんがおっしゃっていました。
「何があっても、生きていること、
生かされてもらっていることは幸せなことです。このことに感謝しましょう」
と。

 

前回も書いた『形のない資産』を増やすということも、
住職さんのような気の持ちようによって生まれるものなのかなあと思います。
家族が幸せになるための相続のあり方について、
答えはないのでしょうが、これからも私なりに考えていこうと思います。

相続手続支援センター名古屋

 

代表 佐藤 絵里子

追伸

「わからないことがある」「個別のアドバイスがほしい」

などとおっしゃる方は、お気軽にご相談ください。

相談は無料で行っています。

無料相談をご利用になり、信頼していただき、

結果として手続をおまかせいただければ幸いですが、

実際にはアドバイスだけで終わる方も多くいらっしゃいます。

当センターとしては、それでもかまわないと考えています。

「相続手続支援センター名古屋」という存在を知っていただくことが、

とても大事だと思うからです。

 

まずは、お問合せだけでもされてみてはいかがでしょうか。

と、いくら申しましても、「業者のいうことだから・・」と思われる方も

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それでも、相続手続支援センター名古屋の思いをお伝えしないよりも、

お伝えした方がいいと思い、書かせていただきました。

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