正しい歴史を相続することの大切さ

突然ですが、「タバコを吸ったら犯罪で罰金を課す」という法律がきょうできたとします。
あすから、タバコを吸っている人は、罰を受けてることになります。
では、きのうタバコを吸った人はどうなるでしょうか?
罰を受けることはありません。きのうまで、法律はなかったわけですから。

「何かを罰するには、あらかじめ罰の対象を決めておかなければならないこと」
「罰の対象決めても、それを過去に遡って適用してはいけないこと」
これは近代以降では国際的な常識です。
専門用語で罪刑法定主義、事後法の禁止などと言います。
考えてみると、すごく自然なことだと思う方も多いのではないでしょうか。

『ある日突然できた刑罰で、過去には犯罪ではなかっった行為を罰せられるのはおかしい』
と、私もこの原理をよく理解できます。

ところで、A級戦犯者って言葉を目にしたことや耳にしたことがあると思います。
太平洋戦争の後の極東国際軍事裁判(通称:東京裁判で)A級の戦争犯罪を犯した罪で裁かれた人のことです。
では、A級の戦争犯罪って何なのでしょうか?

あまり知られていないのではないでしょうか?
中には、B級戦犯者、C級戦犯者よりもっと悪いことをした人というイメージを持っているかたもいるかもしれません。
実は、A級戦犯というのは「平和に対する罪」という概念の犯罪です。
罪がB級、C級と比べて重いという概念ではまったくありません。
罪を種類によって分けたものにすぎません。
この、「平和に対する罪」というのは太平洋戦争の時、国際法で定められていませんでした。
戦後、新しくできた概念を過去に遡って適用して、何人もの人が犯罪人とされたのです。

なお、B級の戦争犯罪は太平洋戦争よりもっと前から国際法で決まりのあった「戦争犯罪」です。
例えば、戦争の時に軍人ではない民間人をころすこと、捕虜を虐待することなどです。

もしも、事後法禁止という国際社会のルールに従って裁判がされていたら?
また、民間人に対する無差別な攻撃という犯罪については、
日本だけでなく戦争当事国をきちんと公平に裁く裁判がなされていたとしたら?
結果はどうだったのでしょう?

東京裁判の担当者の一人であるインド人のパール判事は、
A級犯罪の被告の全員について、無罪を主張していました。
事後法を適用して個人を犯罪者にするのは、国際法に反するという理由です。
(もちろん、B級の犯罪は法があったので別です。)

習う歴史と正しい歴史って、いろんな事情によって異なっている時ってよくあるのだと思います。

もし、まちがった歴史を正しい歴史として次の世代へ相続させていってしまうとすると、
これって、すごく怖いことだと最近強く感じます。

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