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相続の手続いつまでにするの?

1 相続の手続を大きく2つの種類に分けます

1-1やならければいけない相続手続のこと

相続の手続について『まず何からすすめたらよいのだろう』とお感じの方へ。
まず、相続の手続を2つに分けてみましょう。

 

1つ目は
「やらなければいけないこと」です。
こちらについて、手続する義務を相続人は負っているので、
優先して手続することが大切です。

 

2つ目は
「やるほうがいい相続手続」です。
こちらは、後ろでご確認できます。

 

「やらなければならない相続手続」はどのようなものかと言いますと、
大きく2つあります。
1つ目は「支払わないといけないものを支払う」
2つ目は「行政からもらっているお金を止める手続」
です。

 

1 支払わないといけないものの具体例をあげます。

  • 公共料金
  • 病院代
  • 電話料金
  • 住民税
    (所得により支払い義務のない方もいます。)
  • 相続税
    (これは、被相続人のお亡くなり後10カ月以内です。
    相続の後にすぐ支払うものではありませんが、
    準備を始めるという意味でここに記載しています。)
  • 所得税
    (被相続人さまに年金以外や給料以外の所得があった場合)

2 行政からもらっているお金の具体例をあげます。

  • 年金の受給
  • 生活保護の給付

上にあげた1と2などの相続手続の内、
なにが、故人さまにあてはまるのかを確認しましょう。
該当する手続を先に行うことが大切です。

1-2やったほうがいいこと

やった方がいい相続手続は、義務ではないので期限はありません。
もちろんやった方がいいわけなので、ほとんどの方はこの相続手続をなさいます。

 

国や市区町村といった行政の立場からしますと、

つぎのような理屈になります。
「家族のことだから、
家族のご事情に合わせた時期に手続してもらってかまわないですよ。
特に遺産を相続人が受け継ぐ時期に、期限を設けませんよ。」

 

この『やった方がいい相続手続』を一言でいいますと、
『被相続人さまの遺産を、相続人さまが受け継ぐ手続』です。
銀行預金、土地や建物、株式、投資信託、国債などの遺産を受け継ぐ手続のことです。

 

2 相続の手続の流れ

ここでは、おおまかな相続の手続の流れをご確認できます。
どんな順序で何をするのかの全体像がわかります。

  1. 死亡届
  2. ご葬儀
  3. 遺産の内容を大まかに整理する。
  4. 相続するのか、放棄するのか、限定承認するのかを判断する
  5. 相続放棄・限定承認したい旨を家庭裁判所に申し立てる(される方のみ)
    (自分が相続人だと知ってから3か月以内)
    (家庭裁判所から相続放棄・限定承認を
    認めてもらうのが3か月以内である必要はありません。)

相続放棄されるのであれば、その他の相続手続ですることは原則としてありません。
なぜなら、相続放棄というのは、相続人という立場を放棄することです。
故人さまの権利・義務を一切引き継いでない状況になります。

 

以下は、
遺産をすべて相続する(法律用語で単純承認と言います)方の流れです。
ここでは、限定承認の流れを省略します。

  1. やなければいけない相続手続
    (支払うものを支払い、給付を受けているものを止める)
  2. 相続人がだれなのか特定する。
    このために、被相続人の戸籍をすべて取る。
    (お亡くなりの記載のあるものから、お生まれの時のものまでさかのぼる。)
  3. 遺言の検認手続
    (法務局に預けられていない自筆で書かれた遺言がある場合のみ。)
  4. 財産の内容を大まかに整理する。
    (預金、不動産、有価証券など何があるのか、およそいくらくらいなのか)
  5. 相続税の申告の必要性を判断する。
  6. (基礎控除の額を超えなければ申告不要です。)
  7. 財産(不動産を含む)の額を正確に評価する。
    (相続税の申告が必要な方のみ)
    相続税の申告のないご家族は、
    財産の評価を正確にするかしないかを、
    ご相続人間の事情によって決めてかまいません。
  8. 遺産の分け方を話し合う
  9. 相続税の申告をする。(必要な方のみ)
  10. 遺産を受け継ぐ手続をする。

3 期限のある相続手続

3-1死亡届

死亡を知った日から7日以内(国外にいる場合は3カ月以内)。
市区町村役場に届けます。
葬儀社にご葬儀を頼む場合は、葬儀社が代行してくださいます。

3-2世帯主の変更

世帯主が死亡してから14日以内に市区町村役場で手続きます。
世帯主がお亡くなりになられたときに行います。
例外として、世帯主がお亡くなりになったことで世帯が1人になったときは、
この方が自動的に世帯主になりますので手続き不要です。

3-3遺言書の検認

遺言を書いた方のお亡くなりを知ってから、

遅くなったり滞らせることなく進める必要があります。
手続をするのは遺言書を保管していた人または遺言書を見つけた方です。

 

具体的な期限は設けられていません。
手続に先立って必要になる相続人の特定に要する期間は、
家族によってまちまちだからだと考えられます。

 

大切なことは、遺言の検認が必要なとき、
すみやかに被相続人の戸籍を出生までさかのぼってすべてそろえて、
相続人の特定をすることです。

 

遺言書の検認とは、『こういう遺言が存在している』ということを、

家庭裁判所に認めてもらう手続です。
法務局で保管されていない自筆で書かれた遺言について必要な手続きです。

 

下は、裁判所のウェブサイトの遺言書の検認のページです。

遺言書の検認

3-4相続放棄

自分が相続人であることを知ってから3か月以内。家庭裁判所で手続をします。
相続放棄とは相続人である法律上の立場を放棄することです。
相続放棄した方は、被相続人のもっていた権利と義務と無関係になります。
被相続人の持っていた貯金も不動産も相続しないですし、借金も相続しません。

 

相続の放棄は限定承認とちがって、相続放棄したい人が1人1人行います。

下は裁判所のウェブサイトの相続放棄についてのページです。
相続の放棄の申述

3-5限定承認

自分が相続人であることを知った時から3か月以内。家庭裁判所で手続をします。
限定承認とは、もしも、マイナスの財産(借金など)が、
プラスの財産(貯金など)より多くても、
プラスの財産の額だけマイナスの財産を相続すればよいという制度です。

 

相続放棄とはちがって、相続人全員がそろって手続しなければなりません。

下は裁判所のウェブサイトの限定承認についてのページです。
相続の限定承認の申述

3-6準確定申告

相続の開始(故人さまのお亡くなり)を知ってから4カ月以内。
被相続人さまの住所地を管轄する税務署で手続きします。

 

準確定申告する必要のある方を大まかに言いますと、
所得税を納める必要のある方です。

たとえば、家賃収入や商いによる収入があって、これが黒字の方です。

 

必要のない方は準確定申告しなくてかまいません。
申告する対象がないと言った方が正しいかもしれません。
還付をうけるための確定申告は、4カ月以内にする必要はありません。
5年間ならいつでも大丈夫です。
2月から3月の、
確定申告する人で税務署が混んでいる時期にする必要もありません。

 

国からすると、
『納税の義務がある人は4カ月以内に納めてくださいね(はやく納税してほしい)。
還付を受けたい人はいつでもどうぞ(税金の還付をはやくしたいわけではない)。』
ということなのでしょう。

 

下は国税庁のウェブサイトの準確定申告のページです。
納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)

3-7相続税の申告と支払

相続の日(被相続人さまが他界された日)から10カ月以内。
被相続人さまの住所地を管轄する税務署で手続きします。
以下、国税庁のウェブサイトの該当ページです。

相続税

3-8相続税の減額の特例を受ける

相続税を減額できる特例があります。
代表的なのは、
『配偶者が相続する遺産分については相続税が減額される』 
『自宅を相続する時、土地の評価の減額される』
です。

 

これらの特例を受けるためには、
相続税の申告期限(故人さまがお亡くなりの日から10カ月)までに、
遺産分割協議を相続人全員がまとめていなければなりません。

 

もし、
10カ月以内に遺産分割協議を相続人さまたちがまとめられなかったとしたら?

10カ月以内に相続税の申告をまずして、
減額特例の適用のない相続税全額を納税します。
このときに「申告期限後3年以内の分割見込書」を付けておきます。

 

こうしておくことで、
相続税の申告期限から3年以内に遺産分けの話し合いがまとまった際には、
特例の適用を受けることができます。
このときに、減額される分の相続税を相続人は返金してもらえます。

 

申告期限から3年を過ぎても遺産分割協議を成立できないときは?

申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までに、
「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」
を提出します。
この申請について、
税務署長の承認を受けた場合には、
相続税を減額できる特例の適用を受けられます。

 

やむを得ない事情が解決して、
遺産分けをできるようになってから4カ月以内に遺産分割することが必要です。
やむを得ない事情の代表例は、裁判所で相続人が争っている場合です。

 

以下、国税庁のウェブサイトの該当ページです。

相続財産が分割されていないときの申告

 

以下、国税不服審判所のウェブサイトに書かれている、

やむを得ない事情についての争いに関するページです。

裁決事例集

3-9生命保険の受取

死亡保険金の受取の期限は、
被保険者がお亡くなりの日から3年です(保険法第95条)
かんぽ生命は5年です。

 

下は、
『電子政府の総合窓口』のウェブサイトにある生命保険の時効に関するページです。

電子政府の総合窓口の保険法第95条

 

下は、かんぽ生命のウェブサイトの時効に関するページです。

かんぽ生命のよくあるご質問

3-10葬祭費・埋葬料の請求

葬祭費の請求をできるのは、葬祭を行ってから2年です。
国民健康保険の加入者が亡くなられたとき、
故人さまの葬祭を行った方に5万円が葬祭費として支給されます。

 

埋葬料の請求をできるのは、故人さまがお亡くなりなった翌日から2年です。
協会けんぽ、組合健保などの加入者がお亡くなりの時に支給されます。
亡くなられた被保険者により生計を維持されていて、
埋葬を行う方に埋葬料として5万円が支給されます。

 

下は、横浜市のウェブサイトの葬祭費に関するページです。
葬祭費の支給

 

下は、全国健康保険協会のウェブサイトの給付に関するページです。

健康保険給付の申請に期限はありますか?

 

下は、全国健康保険協会のウェブサイトの埋葬費の支給に関するページです。
埋葬を行う人に埋葬料または埋葬費が支給されます

3-11遺留分の請求

遺留分を請求できるのは、
被相続人さまが亡くなられた後、
自分の遺留分が侵害されていることを知ってから1年です。
ただし、被相続人さまがなくなってから10年でこの権利は時効で消えてしまいます。
民法の1048条に記載されています。

3-12特別寄与料の請求

特別寄与料を請求できるのは、
相続のあったことと、相続人を知ってから6カ月以内です。
ただし、被相続人さまが亡くなられてから1年以内に請求しないと、
権利は時効で消えてしまいます。
民法の1050条2項に記載されています。

 

とはいえ、これは裁判所を通して手続をする場合です。
相続人と特別の寄与について話し合いをして遺産分けを決めるのであれば、
いつでもすることができます。

 

特別寄与料については、下をクリックすると、
このウェブサイトの該当ページでくわしくご覧できます。
特別の寄与の制度について

3-13農地・山林の相続の届出

農地を相続しましたら、
農地を管轄している農業委員会に届出をする必要があります。
横浜市の場合、特に期限は定められていません。

 

下は、横浜市のウェブサイトの農業委員会のページです。

農地を相続した場合の手続きが知りたい

 

下は、農林水産省のウェブサイトにある農地の相続に関するページです。

農地の相続に関する制度について

 

山林を相続しましたら、市区町村への届出をしなければなりません。
期限は山林の所有者になった日から90日以内です。

 

下は、農林水産省・林野庁のウェブサイトの森林所有者に関するページです。

森林の土地の所有者届出制度

4 期限を過ぎるとどうなる?

ここまで、期限のある相続の手続をご紹介してきました。
もし、これらの手続の期限を過ぎてしまうとどうなるでしょうか?

 

期限を過ぎても手続しないでおくと、手続できる権利を失ってしまします。
または、手続をする義務に違反したとして、なんらかの仕置きをうけてしまいます。
例えば、金銭を支払いをしなければいけなくなります。

 

相続税の申告のように、期限を動かせないものもたくさんありますが、
手続の中には、期限内に申し出ることで期限をのばせるものもあります。
たとえば、相続放棄できる期間を伸ばす手続もあります。

 

相続の手続の期限が気になる方は、放っておかずに、
相続の専門家などに相談されてみることがおすすめです。

5 期限のない相続手続

5-1不動産の相続

土地、建物の名義を被相続人さまから相続人に変更する手続を「相続登記」といいます。
この「相続登記」をする義務はありません(令和2年1月現在)。
これが令和2年中に義務になる方向で法律の整備が進められています。

 

◆そもそも、なぜ義務ではなかったのか?
国からすると
『国民が自分の権利をどのようにするかは国民の自由である。』
という前提があるからです。

 

相続登記というのは、土地を相続した方が
「この土地は自分のものですよ」
と、どこのだれに対しても主張できるようにするためのものです。
自分の権利をきちんと守るために登記をするのであって、
権利を守る手続をするかどうかは自由だったのです。

 

◆なぜ義務になるのか?
持ち主の分からない土地がどんどん増えて、困ることが多くなってきたからです。
典型的なのが、災害にあった地域の復興を進められなくなることです。
行政が復興のために土地を再開発しようとしたとき、
持ち主の分からない土地を買収りできないからです。

 

法律の改正後にここの記載を変更する予定です。

 

下は、
法務省のウェブサイトの相続登記の義務化に関するページです。
未来につなぐ相続登記

5-2銀行口座の解約、有価証券の手続

遺産の銀行預金の解約、株式、投資信託などの名義変更の手続に期限はありません。
不動産の相続登記の箇所でお伝えしたことと重なりますが、
相続人が自分の財産(遺産のこと)をどうするのかは、個人の自由だからです。

 

とはいえ、ほとんどの方は手続をされます。
故人さまが残してくださった遺産を放っておくのは、
いろいろな意味でよくないことだとお考えの方が多いのだと思います。

 

なお、10年以上放っておくと、
金融機関から預貯金を引出せる権利が消えてしまいます。
金融機関によっては10年以上たっても対応するようです。
これは義務ではないけれど応じていることなので、
ことわられても引出を求める権利はないので注意が必要です。

5-3遺産の分け方の話し合い

次のようなことを話し合うことを遺産分割協議といいます。
どの遺産を、
だれが、
どのように(土地のまま?株式のまま?現金に換えて?)
相続するのか。

 

この遺産分割協議をいつするかは、相続人の自由です。
期限はありません。
ただし、相続税の申告をしなければならないご家族は注意しましょう。
相続税を減らせる特例を使うためには、
遺産分割協議を済ませてあることが条件だからです。

5-4自動車の名義変更・廃車

自動車についても、不動産や銀行と同じく、いつ手続きするのかは相続人の自由です。
とはいえ、はやく手続をした方がいいこともあります。
相続した廃車にする予定でしたら、登録抹消日以降の分の自動車税が還付されます。
登録の抹消の日がはやいほど、還付額はおおくなります。

 

なお、
売却する予定でしたら、遺産分割協議が成立していることが必要です。
(軽自動車は相続人一人でも可能です)。

 

下は、国土交通省 関東運輸局 神奈川運輸支局(横浜ナンバーの地域を管轄)のウェブサイトの自動車手続のページです。

自動車登録手続きのご案内

 

下は、軽自動車検査協会(運輸大臣の認可法人)のウェブサイトの名義変更に関するページです。

軽自動車の名義変更

6 年金の手続

6-1年金の一般的な手続

年金を受け取っている方が亡くなられたとき、
その旨を届出する必要は原則としてありません。
原則として、マイナンバーの情報を市区町村と年金機構が共有しているからです。
例外として、
マイナンバーの共有を被相続人さまが生前に拒否する手続をしている場合です。

6-2未支給年金の請求

年金の受給を受けている方が亡くなられた月の年金を、
遺族がうけとることができます。
これを未支給年金と言います。
未支給年金は請求しないと受け取ることができません。

 

下は、日本年金機構のウェブサイトのページです。
年金を受けている方が亡くなったとき

7 アパート経営などの個人事業をしている方がお亡くなりの時

被相続人さまが青色申告をしていた場合

 

事業を受け継ぐ相続人さまは、
期限内に青色申告承認申請書を税務署に出すことで、
青色申告者になることができます。
被相続人さまの青色申告者の立場を、
自動的に相続できるわけではないので注意が必要です。

 

お亡くなりの日が下のいつかによって、期限がちがいます。
1月1日から8月31日  ・・・お亡くなりの日から4か月以内
9月1日から10月31日 ・・・その年12月31日
11月1日から12月31日・・・翌年2月15日

 

青色申告者は白色申告者より税金の面で優遇されています。
その一部をあげてみます。

  • 所得から65万円を控除できる
  • 条件を満たす家族に給料を払って、それを経費にできる
  • 赤字になったら、その分を将来3年間の所得から差し引ける

青色申告承認申請書の手続を忘れてしまうと、白色申告者になり、
これらの優遇を受けられなくなってしまいます。

 

下は、国税庁のウェブサイトの青色申告に関する2つのページです。

青色申告制度


所得税の青色申告承認申請手続

追伸

「わからないことがある」「個別のアドバイスがほしい」

などとおっしゃる方は、お気軽にご相談ください。

相談は無料で行っています。

無料相談をご利用になり、信頼していただき、

結果として手続をおまかせいただければ幸いですが、

実際にはアドバイスだけで終わる方も多くいらっしゃいます。

当センターとしては、それでもかまわないと考えています。

「相続手続支援センター横浜駅前」という存在を知っていただくことが、

とても大事だと思うからです。

 

まずは、お問合せだけでもされてみてはいかがでしょうか。

と、いくら申しましても、「業者のいうことだから・・」と思われる方も

いるかもしれません。

それでも、相続手続支援センター横浜駅前の思いをお伝えしないよりも、

お伝えした方がいいと思い、書かせていただきました。

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