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特別の寄与の制度について

これまでの制度の問題点

相続の法律には「寄与分」という制度があります。
この制度では、
被相続人の財産を維持するため、または増やすために貢献した人のうち、
遺産分けの時に金銭を受けることができたのは、相続人だけでした。

 

下のような方は、
遺産分けの時にお金を受け取る法律上の権利を持っていませんでした。
1 被相続人の長女の夫 被相続人が会社の社長であったけれど、
  体調をこわして働けなくなった。
  これ以降何年もの間、被相続人の会社の経営をやりとしてきた被相続人の長女の夫。

 

2 長男の妻 被相続人はお亡くなりになる前の約5年の間、自宅で寝たきりの状態だった。
  この被相続人の介護をしてきた被相続人の長男の妻。

 

これまでは、
1の事情なら長女が、2の事情なら長男が、
遺産を多く相続することで解決されることがありました。

 

けれど、被相続人の兄弟姉妹が被相続人の介護や会社の経営をしていたとしても、
遺産から金銭を受け取ることのできるような法律はありませんでした。

 

相続人ではなくても、 被相続人に特別の寄与のあった方は、
相続人に金銭を請求できる法律ができました。
この請求できる金銭のことを「特別寄与料」といいます。

特別寄与料を請求できる条件は?

1 親族であること
親族というのは、6親等以内の血族、3親等以内の姻族です。

 

▲特別寄与料の請求

血族というのは、血のつながりのある(養子を含みます)、親、子、兄弟などです。
姻族というは、血族の配偶者のことです。

 

親等の計算について。
自分から見て
上の世代の直系なら、親は1親等、祖父母は2親等、曾祖父は3親等です。
傍系は、共通の直系までさかのぼって、そこから下に数えます。

 

兄弟は2親等(親が共通の直系)
伯父叔母は3親等、いとこは4親等(共通の直系は祖父母です)。

 

おじの配偶者は、3親等の姻族になります。いとこの配偶者は4親等の姻族になり、親族には含まれません。

2 相続人ではないこと。
相続人は特別寄与料の請求ではなく、
寄与分を自分の法定相続分に加えて遺産分けをできます
寄与分を認められる条件を満たしていればです。

 

3 無料で被相続人の財産維持や増加に対して寄与していること。
被相続人の介護や会社の経営について、対価をもらっていた親族は、
「特別寄与料」を請求できません。

特別寄与料を請求する相手はだれ?

各相続人です。
特別寄与料を計算して、各相続人の相続分割合に応じて、請求します。

特別寄与料を請求できるのはいつまで?

相続の開始にくわえて、相続人を知ったときから6か月です。
この期間は、請求する相続人ごとに計算されます。

 

例を挙げます。
兄をなくして、兄の長女のいることを知っていれば、
長女に請求できるのは兄を亡くした時から6か月です。
兄に長男がいて、兄を亡くして3か月後にこのことを知ったのでしたら、
兄の長男を知ったときから6か月の間「特別寄与料」を請求できます。

 

ただし、「特別寄与料」を請求できるのは、
相続の開始から1年までに限られています。

特別寄与料をいくら請求できるの?

療養介護をした日数×日当(8,000円程度だと思われます)
介護サービスの日当と同程度の額なります。

特別寄与料をもらったら、相続税をはらうの?

はい。

 

遺産の総額が基礎控除を超え、
相続税の納税義務が発生する状況であれば、
特別寄与料を受け取った方は、相続税を支払う義務を負います。

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