成年被後見人に代わって、法律行為を行います。
代理権や取消権、追認権を持ちますが、同意権はありません。
同意を与えても、その予測通りには行動しない恐れがあるからです。
成年後見人は個人、自然人に限られず、法人でもいいですし、
複数人でもかまいません。
な法律行為をすることができるとすると、
不利な契約を結ばされて契約上の義務を負わされるなど、
その人の利益が害されるおそれがあります。
そこでこのような不利益を避けるために、
民法は十分な判断能力がない人を制限行為能力者といて定型化し、
これらの人が単独でした法律行為を取り消すことができるとしています。
未成年も、制限行為能力者の一分類です。
他にも被保佐人、被補助人、そして成年被後見人とあります。
成年被後見人は事理を弁識する能力を欠く状況にあるため、
成年後見人が代理して行います。
但し日用品の買い物その他日常生活に関する行為および婚姻、
認知、遺言等の身分行為は単独ですることができます。
成年後見人には同意権が無いので、
成年被後見人が単独でした行為は上記日用品の購入などを除いて、
全て常に取り消すことができます。
成年被後見人が単独で行った遺産分割も、成年後見人は取り消すことができます。
この成年後見人は成年被後見人にどのような支援、保護が必要かに応じて、
家庭裁判所が選任します。
親族が選任されることが半数以上ですが、成年被後見人の親族以外にも、
法律、福祉の専門家その他の第三者、もしくは福祉関係の公益法人、
その他の法人などが選ばれます。
未成年者や破産者、また行方の知れない者は
これらに該当していても成年後見人にはなれません。
多くの場合、申し立てから4ヶ月以内に後見開始の審判がされています。
後見開始の審判の原因が消滅した時は家庭裁判所は、一定の者の請求により、
後見開始の審判を取り消さなければなりません。
成年被後見人が選挙権・被選挙権を持つのかという争いが長くありました。
選挙権は国民の権利ですから、あって然るべきですが
事理を弁識することができない人には、
選挙権も被選挙権もないとするのが今までの法律でした。
公職選挙法により、権利が制限されていたのです。
しかしこれが見直され、平成25年7月1日以降の選挙では、
権利を持てることになりました。
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