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船舶遭難者遺言について

普通方式による遺言との違いは、普通遺言では一般的に「書面」が使用されますが、
この場合は「口頭」でなされる点です。

 

その理由は、生命に対する危険が迫っているのが明白であるため、
書面にしている余裕などないことを考慮したものです。
ただその分、問題点も生じやすくなるのが現実です。

 

船舶遭難者遺言の方式 船舶遭難者遺言は、緊急時に口頭でなされる特別な遺言です。
その性質から、作成方式は、比較的緩やかなものになっています。

 

具体的には、まず、船舶の遭難により船舶中で死亡の危険にさらされた者が、
証人2人以上に対して口頭で遺言内容を伝達します。
ただ、船舶が遭難する場合、
たいてい船舶内にいる証人も危険にさらされているでしょうから、
果たして緊急時に証人などというものを確保できるか疑問なところでもあります。

 

このような疑問を置いておくとして、次に、証人が遺言内容を筆記して、
これに署名し、印を押します。
そして、証人の一人又は利害関係者から遅滞なく家庭裁判所に請求して、
確認を得なければなりません。

 

これらの手続きを経て初めて遺言の効力が生じます。
その際、家庭裁判所は遺言者の真意に基づくものと心証を得なければ、
確認はできません。

 

これらの手続きは民法979条に規定してあります。
確認してみてください。

 

船舶遭難者遺言の適用場面 以上の説明から、船が遭難し、
生命の危険が及ぶ状況下で、証人2人に口頭で遺言内容を説明し、証人が筆記して、
家庭裁判所に確認を求めるという大まかな流れが見えてきました。

 

しかし、はたしてこの船舶遭難者遺言の活用場面は現実的どれだけあるのでしょうか。
先の疑問に加えて、証人が筆記する余裕はあるのか、
証人が筆記するのであれば自分で書けばよいのではないか、
そもそも船に問題があるときには、筆記した書面も海の底なのではないか、
などと疑問がたくさん湧いてきます。

 

そうすると、この船舶遭難者遺言の適用場面は、
船の故障などにより漂っているときに、遺言者が病気などにより
生命の危険にさらされている場合などに限定されることになるでしょう。

 

他の特別方式遺言との関係 船舶中で生命の危険にあっても、
難船の場合でなければ、一時危急時遺言(民法976条)になります。

 

また、船舶中にあっても死亡の危険になければ、
船舶隔絶地遺言(民法978条)になります。
ややこしいところですが、法は細かく規定しています。

関連する参考用語

特別方式の遺言とは

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